2003-03-13 第156回国会 参議院 予算委員会 第10号
○参考人(速水優君) 銀行保有株を昨年の九月発表しまして十一月末から買い始めておりますが、かなり順調に持ち込まれてきております。これはしかし、まだ二兆円と言っておる目標の限度の半分にも行っておりませんから、今ここで拡張するとかしないとかいうことは問題にするには早過ぎると思いますし、私はあれはティア1を超えて株を持っている銀行、これ金額でいくと六兆前後だったと思いますけれども、その中から二兆円をこの分
○参考人(速水優君) 銀行保有株を昨年の九月発表しまして十一月末から買い始めておりますが、かなり順調に持ち込まれてきております。これはしかし、まだ二兆円と言っておる目標の限度の半分にも行っておりませんから、今ここで拡張するとかしないとかいうことは問題にするには早過ぎると思いますし、私はあれはティア1を超えて株を持っている銀行、これ金額でいくと六兆前後だったと思いますけれども、その中から二兆円をこの分
○参考人(速水優君) 日本銀行の資産、財務状態を悪化させないという意味で、これ以上株価が、株のように値が上がったり下がったりするものを資産に持って、それを引き当てに銀行券を発行するといったようなことになってくると、やはり日本銀行、円に対する信認にも懸かってまいりますし、私どもはそういうものは買わない方がいいと思います。買うべきではないと思っております。
○参考人(速水優君) 今のこのメガバンクの増資というものは、私は、これは非常に高く評価しております。私は、総裁就任直後から、日本の銀行はやはりコアキャピタルというのを増やしていかないといずれ何か起こるぞということは、随分この席でも言わせていただいてきていると思うんです。それが、ようやくここで自助努力で、やり方はみんな違いますけれども、四行で二兆円を超す増資をしようと言って、年度内にやると言っているわけですから
○速水参考人 為替の問題は、これは財務省の問題でございまして、政府が決めるべきことで、私の方からこうやれ、ああやれと言うことは、持論としては言わせてもらう場合もありますけれども、政策をお決めになるのは財務省でお決めになるわけで、今の、地政学リスクというのが顕在化してきたときに為替市場にどういう影響が出るであろうかということは、あらかじめ、いろいろ予測しておく必要があるとは思いますけれども、世界全体の
○速水参考人 先日、週末に行われましたパリでの七カ国財務大臣・中央銀行総裁会議におきましては、確かに皆さんが地政学的な問題が近く起こるという危険性や不確実性を持っておりました。しかし、それについての、そのときにどうするかという議論は、それぞれお考えになっておられると思いますけれども、議論の対象にはなっておりません。 公表されたコミュニケをごらんになりましても、最初のパラグラフに、地政学的な不確実性
○速水参考人 私、九八年の三月に日本銀行に総裁として戻ってまいりまして、それから五年になるわけでございますが、参りましたときは、既に公定歩合は〇・五%、短期金利、無担保コールは〇・五%を下回る水準でありました。 日本銀行は、わずかに残った金利引き下げの余地をぎりぎりまで活用して、短期金利を〇・〇〇一%まで低下させていきますとともに、短期金利以外の金融緩和の波及ルートにつきましても、どういう道があるかということをいろいろ
○速水参考人 日銀法二条に、金融政策の目的は「物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資すること」と書いてあります。 物価の安定ということは、日本銀行は、インフレ同様デフレも望ましくないという考え方でおります。したがいまして、デフレ克服を目指して、世界史に前例のないような金融緩和を今進めておるわけです。 政府との間で認識に違いがある、デフレを解除、なるたけ早く外していきたいということについては
○速水参考人 お答えします。 今の御質問の「改革と展望」の文言は、「政府・日本銀行が一体となって、デフレ克服を目指し、できる限り早期のプラスの物価上昇率実現に向けて取り組む。」そういうふうに書いてあります。これが現在我が国で議論されているいわゆるインフレターゲット政策を意味するものとは考えておりません。
○速水参考人 日本銀行による思い切った金融緩和というのは、我が国の経済にさまざまなショックが加わっている中で、金融市場の安定確保と景気の下支え、この面で強力な効果を発揮しておると思います。 確かにおっしゃるように、九五年から〇・五%から金利がまた下がって、金利が実質上、短期の金利はゼロ金利になって、そういった超低金利の中で、家計等の利子収入の減少とか、年金など機関投資家の運用難といったような副作用
○速水参考人 達成期限を示したインフレターゲティングというのと、私どもが、今、量的緩和を始めて以来一年半守ってきており、目標にしております量的緩和のコミットメントというものの相違ははっきりしていると思うのです。 短期金利をゼロにして、不良債権問題などの構造要因が金融政策の効果を妨げているわけでありまして、金融政策だけでインフレ目標を実現することは難しいと思っています。そうした中で期限を定めたインフレ
○速水参考人 今おっしゃるようなあれや新聞や、皆さんがおっしゃっておるインフレターゲットという考え方であるとするならば、日本銀行は、まだそこまで考えておりません。 日本銀行は、インフレ率が安定的にゼロ%以上となるまで現在の思い切った量的緩和の枠組みを続けるということを宣言しました。これは、デフレ脱却への強い決意を明らかにしたつもりであります。 しかし、これは、期限を定めてインフレ目標の達成を政策運営
○速水参考人 お答えします。 日本銀行は、日本経済をできるだけ早期に持続的な成長軌道に乗せたい、復帰させたいというふうに強く思っております。物価が前年比マイナスの基調から脱却できる状況が実現するために、中央銀行として最大限の努力を続けていくつもりでおります。しかし、そのために現在の状況のもとでインフレターゲティングを導入するということは適当でないと考えております。 インフレターゲティングというのは
○速水参考人 日本銀行の自己資本、広い意味で申しまして、法定準備金や債券取引の引当金あるいは外国為替の損失の引当金、そういうものを全部入れまして、約五兆一千億の準備金が積んであります。
○速水参考人 日銀のこの長期金利、今おっしゃいましたとおり約五十七兆ぐらいを持っておりますけれども……(原口委員「長期国債ですね」と呼ぶ)長期国債ですね。これが、金利が上昇していった場合に、どのくらいの金利上昇になるかということにつきましては、これは今持っている国債の期間がいろいろございますので一概には難しいんですけれども、あえて十四年九月末の長期国債の保有状況を前提にして計算いたしますと、十年物金利
○速水参考人 まず、第一問の金融機関保有の株式買い取りの背景について申し上げます。 我が国の金融機関は、歴史的な経緯ということで多額の株式を持っていることは御承知のとおりでございます。ほかの大国では、ドイツを除いてはほとんど持っておりません。その株価の変動が、個別の金融機関の経営とか金融システムのシステム全体の大きな不安定要因になっていることは御承知のとおりでございます。特に、昨年の株が非常に動き
○速水参考人 お答えいたします。 日本経済を活性化し、持続的成長を実現していくという、このために私は三つのことが大事だと思うんです。 一つは、民間需要を引き出すということで、それには規制緩和とか税制改革を含めた適切な財政運営等が用いられていくことが大事だと思います。二つ目は、国民の安心感を高めるということですが、社会保障の見直しとか雇用のセーフティーネットの整備といったようなものを通じて、国民の
○速水参考人 簡潔にお答えさせていただきます。 インフレターゲティングというのは、例えば英国なんかでは、インフレターゲティングというのは機械的に目標達成をねらっているのではありません。金融政策として効果を持つか、それとも弊害の方が大きいか、これはやはり大事なことで、目標を実現する手段とかメカニズムの裏づけなどがどの程度あるのかということが大きな問題だと思うんです。 まず二つのことを申し上げたいと
○速水参考人 ただいま北側会長のお話になられた売り掛け債権の市場・証券化というのは、私どもも、昨年来非常に関心を持ちまして、いろいろ事を進めつつある段階でございます。 おっしゃるように、中小企業の金融というのは、金融機関からの借り入れが多いので、ほとんどが間接金融ということになっております。中小企業の債権のうち、全体として六十五兆円に及ぶ規模が売り掛け債権という形になっておりまして、これを何とかして
○参考人(速水優君) 〇・七七五というのは確かに低い、金利が低いと思います。しかし、これはやはり買手が多くてよく売れているということだと思うんで、特に銀行などは、預金が増えますし、貸出しがマイナスになるようであれば、やはり国債に投資するということになってくるんだろうと思います。 これは、逆になって、価格が下がって金利が高くなっていくというようなことになりますと、これは銀行の経理などに非常に大きなショック
○参考人(速水優君) 金融システムにつきましては、不良債権問題を主たる背景としてまだ引き続き厳しい状態にあります。こうした状況の下で金融機関では、不良債権処理の加速とともに、スピードアップですね、資本金の備えを強化すべく自力増資に前向きに取り組む動きを見せているわけです。 私どもとしては、こうした自助努力、自分たちでやっていくということがここで動き始めたことは、私は非常に喜ばしいことだと思いますし
○参考人(速水優君) 二十八日の日でしたか、予算委員会で、これは、為替問題は財務省の担当でございますので私どもは余り意見を言う立場ではないんですけれども、参考人として呼ばれて、私は長い間、国際通貨問題、外国為替を日本銀行でやってまいりましたので、感想を言わせていただいたわけです。 その中で、やはりプラザ合意というのは、私は八一年に日銀を辞めましたので、民間に下りていますので、八五年に起こったことは
○参考人(速水優君) 物価の下落は貨幣的現象であるかどうかと。 この貨幣的現象という言葉は、昔、フリードマンという学者が使った言葉だと思いますが、正確には、インフレは貨幣的現象と、こう言ったように思います。本来、この言葉は、極めて長い期間で見た物価とお金の関係をあくまでも事実として示すものであります。お金の量が変わればそれで物価が動くといった因果関係を必ずしも示すものではありません。 現在、日本銀行
○参考人(速水優君) 私どもの方で昨年の十一月二十九日から始めておりますのは、金融機関の株価変動リスクの軽減を促進するといいますか、自己資本として株を銀行はたくさん持っておりますが、それが値下がりしていくと自己資本が圧縮されていく。それで、やはりこれからの銀行の経営にも、あるいは不良貸出しの償却等にも非常に差し障りがあって、金融機関としては非常におっかなびっくりという状況で株価を見ていたわけです。
○参考人(速水優君) 私の方で昨年の十一月二十九日から始めております日銀による銀行保有株式の買入れの実績でございますが、本年一月二十日現在で、買入れ累計額は二千八百億円に達しております。 今後どれぐらいの見通しになるかは、ちょっと今のところは何とも申しかねるということでございます。
○参考人(速水優君) お答えいたします。 日本銀行は、経済の再生とデフレ克服のために、今正に世界の歴史に例のない未曾有の金融緩和を推し進めております。すなわち、潤沢な資金供給の下で市場金利は広範にほぼゼロまで低下しております。また、期末を控えまして金融システムがなお問題を抱えている、不良貸出し問題等を残している下で市場の流動性懸念はほぼ払拭されております。 現在、企業の需要見通しはなお慎重でありまして
○参考人(速水優君) 金融政策だけで物価を上げるというふうな、これは無理だと思います。 御承知のように、物価というのは、ずっともう、ほかの国でもそうですけれども、成長が伸びて二、三年たって物価は上がっていくんです、需要が増えて。これはもう、必要であれば表をお送りいたしますけれども、それはどこの国でもそうです、日本でもそうなんです。 これは、ですから、やはり今、物価を上げるということも大事ですけれども
○参考人(速水優君) お答えいたします。 為替介入等の為替政策につきましては、現在これは政府、財務省の所管でございます。私の立場から具体的にコメントすることは差し控えさせていただきたいと思いますが、私は長い間、一九五〇年、民間貿易が始まったころから日銀でもう為替問題、国際通貨問題をずっと半世紀やってきた男でございますので、そういう意味では一般論として、もし御意見がお聞きしたいのなら、参議院などで参考人
○速水参考人 日本銀行の量的緩和がどれぐらいになっているかということでございますが、ちょっと数字を日本銀行のバランスシートでごらんいただけば一目わかるんです。 総資産、総負債、今百二十五兆円。九月末は百四十兆ぐらいまでいっておりましたけれども、百二十五兆円ということは、これはGDPの二六、七%ですね。ヨーロッパの中央銀行にしても兆に換算して百兆まではいっておりませんし、アメリカのFRBももっと少ないんです
○速水参考人 お答えいたします。 九月の十八日に発表いたしまして、約一月余り前から実施いたしておりますが、日本銀行の銀行保有株式を買い入れるやり方につきましては、これは金融システムの安定確保と不良債権問題の克服に向けた環境整備を図るために行ったものでございまして、株価を下支えするといったようなことをねらったものではございません。一切ございません。 一月二十日現在で、今おっしゃいましたように、累計
○参考人(速水優君) やはり日本はここ十年経済が暗いということでございまして、今ここへ来て世界的なディスインフレ、デフレ現象が見られてきております。 しかし、日本の場合、前々から申し上げておりますように、各国が皆構造改革をやりましたときに、日本はむしろデフレ対策というか金融をどんどん緩め財政を緩めるということをやって九〇年代を過ごしてきて、結果としてデフレが続いているということなのでございます。
○参考人(速水優君) 黒田財務官、私大変尊敬しております。今おっしゃったフィナンシャル・タイムズへの寄稿というのは、私は個人的にお書きになったものだというふうに理解しております。今おっしゃいました論旨につきまして、ちょっと私の意見を言わしていただきたいと思います。 日本経済の再生、そしてデフレ脱却ということにつきましては、私ども決意は政府との間で全く共有されていると思っております。その上で、日本銀行
○参考人(速水優君) 私どもの判断では、景気は全体としては下げ止まっておりますけれども、このところ回復へ向けての不透明感というのはむしろ強まってきているように思っています。先行き、米国を始めとして海外経済動向がどうなっていくか、そしてまた不良債権処理加速の実体経済に及ぼす影響がどうなっていくか、その辺はこれからもう少し注視していく必要があるというふうに思っております。 こういった景気の状況について
○参考人(速水優君) 物価が上がりますのはやはり成長が進んでからだと思います。これはもう諸外国の例を見てもそうです。一年か二年後れて物価は上がっていくんです。総理がよく言われる改革なくして成長なしと、これも私確かだと思います。私どもは、成長なくして物価の低下は止まらないという、デフレ解消はなしということをいつも言ってきているんです。これはもう各国の例を見てもそのとおりだと思います。 こうやって私ども
○参考人(速水優君) 今の企業の貯蓄超過問題というのは、確かに注目すべき点であると思いますし、貸出しの方も伸びないんですけれども、企業の方が借りないというのがやっぱり大きな問題だと思います。 企業部門の貯蓄超過というのは、基本的には、経済の低迷が長引くという下で企業の投資意欲が低下していく、そして設備投資というものがキャッシュフローの範囲内で抑制されていくということになっているんだと思います。現在
○参考人(速水優君) これまで、不良債権の処理の過程で金融機関の体力というのがかなり低下してきているというふうに私どもは見ております。我が国の金融機関は、歴史的な経緯から、多額の株式を保有しております。これはドイツと日本でございます。ドイツの方は非課税などにしてどんどん売らしているというようなことでございますが、日本は一向に減ってこないと。最近の株価動向は、この株価の変動は個別の金融機関経営や金融システム
○参考人(速水優君) お答えする前に、さっき私の言ったことをちょっと取り違えておられるようだったんで、それだけ申しておきます。 円が安くなるということは、円の購買力、パーチェシングパワーが落ちるということなんです。お分かりですね。内外で円を持っている人が持っている資産を減らしていくことなんですよ。そのことはどういうことかというと、国内には千四百四十兆円の円預金や預金が、マネーフローがごらんのようにあるわけですし
○参考人(速水優君) 為替の動向については昨日も御質問に答えて若干申し上げましたけれども、これは、通貨を出す以上は、出した通貨がやはり世界じゅうに好んで持っていかれるように、そしてその通貨の価値が下がっていかないように、安心してみんな持っていくように私どもは発行元として、また物価の安定、通貨の安定を調節していくことが日本銀行の日銀法にも最初に書かれている私どもの義務でございますから、もうおっしゃるまでもなく
○参考人(速水優君) これ以上景気が更に悪くなるということになれば、なかなか金利は上げられないことになっていくんじゃないかと思います。
○参考人(速水優君) デフレ脱却のために円安誘導をしてはどうかという御意見をどう思うかという御質問だと思います。 デフレ脱却のための政策として確かに円安誘導を図るべきだという議論があることは承知しております。為替相場の在り方につきまして私の立場から具体的にコメントするのは差し控えたいと思いますが、一般論として申し上げれば、理論的には円安は、特に輸出面を通じて企業収益等にプラスの影響を及ぼし得ると思
○参考人(速水優君) お答えいたします。 私ども、一九九二年ぐらいからバブルはじけに対する金融の緩和を始めまして、九五年にはもう公定歩合を〇・五%まで下げ、そこから先、更に下げて、二年前でございますか、金利でなくてもう量的緩和でいこうということで、日本銀行の当座預金を指標にして、今十五兆から二十兆円まで銀行が手元の資金を日銀当座預金に置くというふうなことに変わってきております。 今、短期金融市場
○速水参考人 我が国の金融機関は、歴史的な経緯から多額の株式を保有しております。御承知でしょうけれども、主要国で民間の金融機関が株を持っているのは日本とドイツだけです。ドイツは、これは今減らしつつあります。日本は、御承知のように、大手十一行について見ましても、三月決算で見まして、ティア1といいますか、自己資本の、十七兆ぐらいとして、株の保有は二十五兆を上回っているのですね。今、株が右肩上がりで上昇しておりますときはよろしいですけれども
○速水参考人 RCCにつきましては、法律に基づきまして、金融機関の不良資産を買い取って、その管理や処分を行うということが基本的な使命となっております。また、RCCは、その過程で、法的な調査権限を持つ預金保険機構とも協力をしつつ、債務者の財産の実態解明を行っております。 私どもは、こうした状況に関して、RCCから適宜ヒアリングを行っておりますが、これまでのところ、さらに考査を行う必要は生じていないと
○速水参考人 お答えいたします。 九〇年代に入りましてから、世界的なディスインフレ傾向が見られることは御承知のとおりでございます。現在、海外でも財の価格を中心に物価下落傾向が広く見られております。 生産者物価、これが幾つかの先進国、アジア諸国において前年割れとなっているほか、消費者物価につきましても、財の価格についてだけ見れば、米国や英国などもマイナスの伸びとなっております。 こうした世界的な
○参考人(速水優君) 今回の私どもの株式買取りという、銀行の保有している株が、このままでは銀行の自己資本がじりじりじりじり落ちていく可能性が十分あると、もう既に落ち始めておるわけですから。そういうものを救う道としてはこの方法しかないと、随分議論した結果出てきた案でございます。 今回の株式保有は、株価を引き上げようとか、あるいは流動性を増やそうとか、供出しようというようなことではありません。世界にも
○参考人(速水優君) 銀行の貸金業者への貸出しのことを聞いておられるんだと思いますけれども、日本銀行が調べたところでは、国内銀行の業種別貸出し残高の統計の中で本年六月末で、国内銀行のいわゆるノンバンク、ノンバンクというのは武富士とか、ああいうところのノンバンク向けの貸出しは、前年同期比でマイナス〇・八三%です。 それからもう一つ、ノンバンクと違って事業者金融業者という、事業者金融業者、リースとかそれから
○参考人(速水優君) 金融機関の貸出しにつきましては、企業規模の大小にかかわらずここのところ一つ特徴的なことは、やはり二極分化というのですか、大げさかもしれませんが、優良企業に対しては貸出しはかなり増えている反面、信用力の低い企業に対しては貸出しの姿勢が慎重化していると。それでも全体として銀行の貸出しは前年に比べて四%の減少になっているというのが現状でございますが、御質問の大企業向けと中小企業向けとの
○参考人(速水優君) 昨日決定しました措置のポイントを御説明いたします。 三つございまして、一つは当座預金の目標をこれまでの十兆から十五兆円と、実際には十五兆すれすれのところをずっと続けてきているわけですけれども、これから上げまして十五兆から二十兆円程度までということに引き上げました。これは、今の一は量的緩和を更に広めて銀行の手元の資金を潤沢にするということでございます。 二つ目は、そういう資金
○速水参考人 御質問の繰り延べ税金資産のことについて、この点につきましては、私も国会でもここ二、三年ずっと、海外からの日本の銀行に対する信認を得るためには、自己資本のトータルが一〇%あるとかいうようなことだけでなくて、内容を彼らは特に海外では問題にしておるわけです。それはどういうことかというと、一〇のうち四ぐらいが繰り延べ税金資産じゃないか、これは中身があるのかないのかよくわからないじゃないか、そういう
○速水参考人 経済活動を活性化してまいりますためには、金融システムの安定化とともに、私は次の二つのことが大事だと思います。一つは民需を引き出す。そのためには、規制の緩和、撤廃とか、税制の改革ということが必要だと思います。そういうものを通じて民需を引き出すということ。それからもう一つは、国民の安心感ですが、雇用対策等のセーフティーネットを整備して国民の安心感を高めていく。こういうことがあって初めて経済
○速水参考人 お答えいたします。 日本銀行としましては、できるだけ早く経済を持続的な成長軌道に戻して、物価がマイナス基調から脱却できる状況を実現したいと考えております。 しかし、大きな需要不足を抱えて、金利もゼロに達しておりますし、さらに、さまざまな構造問題が金融緩和の効果を妨げております中で、どうやって達成するのかという裏づけなく、この二年間でという期限を先ほどおっしゃいましたけれども、期限を
○参考人(速水優君) 今、金融市場に対して流動性の供給は極めて潤沢にやっておりますし、金融市場では流動性は十分行き渡っているわけです。したがって、市場は非常に安定的、株だけは動いておりますけれども、海外の要因で。これをやっぱりどういうふうにこれから持っていくかというのは、民間需要が出始めて、銀行の貸出し、銀行の信用仲介機能などが活発化していって貸出しも増えていく、そういうようなことが起こってきて初めて
○参考人(速水優君) いつまでという期限を言われても困るわけですけれども、とにかく構造改革が進展して、民間の需要が伸びてきて、それで経済は成長していくわけですから、大体、物価というのは経済の成長に大体一年遅れて上下するものです。物価の、総理がよく言われるように、改革なくして成長なしと。成長なくしてインフレ、デフレの解消はないと私は思っております。
○参考人(速水優君) デフレ対策としては、やはり私どもは、物価というのは経済の体温でございます。したがって、過去を見ましても、景気が良くなっていけばしばらくすれば物価は上がっていくと。デフレ脱却のためには、まず日本経済を活性化して民間需要を高めていくことが必要だと思います。 インフレターゲットの問題につきましては、日本銀行は、経済をできるだけ早期に持続的な成長軌道に復帰させて物価がマイナス基調から
○速水参考人 お答えいたします。 私どもは、今が金融危機であるとは考えておりません。しかしながら、経済の構造調整に伴い、なお不良債権の新規発生というのが高い水準にあります。それから、金融機関の貸し出し利ざやが極めて薄い状況になって、体力が少し弱ってきております。 もう一つは、経営のバッファーとして機能しております含み益ですね。かつては株式などをたくさん持っていて、それが右肩上がりで上がっていけば
○速水参考人 お答えします。 今回私どもが決定しました金融機関の持っている株式の買い入れというのは、金融システムの安定化を図る観点で期間を限定した一時的な措置でありまして、これは株価の支持とか流動性の拡大をねらったものではありません。金融機関が持っている株が多過ぎるというようなことで、それを減らしていこうということでございます。 流動性供給の手段としましては、現在、金融機関は国債などの資産を豊富
○速水参考人 お答えします。 私ども、今までも申してきたことなんですけれども、現状のもとでインフレターゲットを導入することは適当でないというふうに思っております。 日本銀行は、日本経済をできるだけ早期に持続的な成長軌道に復帰させて、物価がマイナス基調から脱却できる状況を実現するために、中央銀行として最大限の努力を続けております。 しかし、インフレターゲティングというのは、これはインフレを抑えることを